地域通貨が格差を止める?投資のプロが説く「共感の経済」からの幸せ

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聞き手・日浦統
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 ブームが起きてはしぼんできた「地域通貨」が、再び注目を集めている。全国で10種類の地域通貨の導入を支援している元金融マンの新井和宏さんは、デジタル時代の地域通貨は「新しい共助の仕組み」であり、「格差を縮める手段にもなる」と訴える。どういうことなのか、何に可能性を見いだしているのか。

あらい・かずひろ

1968年生まれ。2008年に資産運用会社「鎌倉投信」を創業。18年にeumoを設立。著書に「投資は『きれいごと』で成功する」など。 

 ――地域ごとに様々なデジタル地域通貨をデザイン・導入できる基本システム「eumo(ユーモ)」をつくり、各地での導入を支援してきました。どんな仕組みですか。

 「今年秋から北海道ニセコ町で本格始動する『NISEKO eumo』を例に説明しましょう。単位はniko(ニコ)で、1ニコ=1円です。利用したい人は、ほかの電子マネーと同様、現金やクレジットカードで専用のスマホアプリにチャージ(入金)します」

 「チャージしたニコは、地域の加盟店で買い物する際に使え、アプリでQRコードを読み取って代金を払います。加盟店はニコを現金化でき、私たちの会社は、利用額の一部を手数料として得ます」

 「面白いのは、ユーザーが使える期間が取得から3カ月に限定されていること。失効してしまう前に積極的に使ってもらうことで、通貨の流通をよくして地域経済を活性化させるためです」

地域通貨は「共助の財布」

 ――ニセコの人が、わざわざチャージしてニコにする理由は、どこにあるのでしょう。

 「私たちの手がける地域通貨の特徴は、経済的メリットではなく、人々の共感性に訴えかける点です。期限が切れたニコや、加盟店の売り上げの1%は、ニセコ町の子どもの未来のために投資される仕組みになっています。自分たちのお金で、地域を良くしたい。そんなコミュニティーの人々の思いを集める、『共助の財布』になれると思っています」

 ――「共助の財布」ですか?

 「いまの日本は都市化が進み、『公助』と『自助』しかなくなってしまいました。税金を払っているのだから、すべて自治体がやってくれ、という人がいる。一方、それがない領域に入った途端、すべて自己責任だから自分で何とかしなさいという風潮もある。公助と自助の間にあるはずの『共助』が、やせ細っている。だから、いまの時代にあった共助の仕組みの再構成が必要なんです」

元々は資産運用のプロとして、チームで約10兆円もの運用に携わってきたという新井さん。いま目指しているのは「格差を縮める社会」だといいます。なぜ、地域通貨が経済的な格差縮小に役立つのか。記事の後半で詳しく語ってもらいました。

 ――共助は何を担いますか。

 「役割を分担するのです。も…

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