消費者金融から生活費捻出 国の支援が若者に届かないわけ
ガスや電気が止められた。所持金が5千円しかない――。長期化するコロナ禍で困窮し、借金にあえぐ若者が続出している。国が相次ぎ支援策を打ち出しているにもかかわらず、なぜ十分届いていないのか。若者への支援を続ける認定NPO法人「D×P(ディーピー)」の活動の中から見えてきたものは、意外な落とし穴だった。
大阪市を拠点に若者の孤立防止に取り組むD×Pは、新型コロナウイルスの感染が広がった2020年5月から、主に15~25歳の経済的に困窮する若者に対して現金や食料を配る活動を続けている。今年3月までの現金給付は計約3100万円、配布した食料は約5万2千食に上る。同NPOの今井紀明理事長(36)は「1日1食しか食べられないという相談が多く、相当しんどい暮らしをしていると実感した」と話す。
同NPOが昨夏、支援を希望する人にアンケートをしたところ、58・4%が「返済が必要な借金や滞納がある」(有効回答125人)と回答。一方、「給付金や奨学金を申請したことがある」は37・1%(同186人)にとどまった。
生活苦、消費者金融や決済アプリでしのぐ
なぜ支援策が十分活用されないのか。若者と接してきた今井さんは、公的制度の申請のしづらさやデジタル化の遅れを指摘する。「問い合わせは電話だけだったり、相談をするには窓口まで出向かなければいけなかったり。支援の仕組みはあっても、難しい言葉がならび説明も分かりづらく、『何だこれは』となってしまう」
例えば、生活費を無利子で貸…
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