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第4回「存える」読める? 巨大団地のカフェで脳トレ 支援者もシニア住民

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編集委員・清川卓史
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 「存える」「準える」「直向き」「跋扈」……。

 大きな紙に書き出された難読漢字の数々を、70~80代の女性8人が真剣な表情で見つめる。

 いわゆる「脳トレ」として取り組んでいる読み方クイズだ。

650万戸を超えて増え続けるマンションで、二つの高齢化が進行しています。世帯主の約半数は60代以上で、築40年超の高経年マンションも急増します。「ついのすみか」として住み続けることができるのでしょうか。今回は、認知症の人もそうでない人も暮らしやすい環境にするために、住民ができることを考えます。

 横浜市戸塚区にある大規模分譲団地「ドリームハイツ」(全23棟、約2300戸)。3月末、地元のNPO法人「いこいの家 夢みん(むーみん)」で、コミュニティーカフェ「ゆめサロン」が開かれていた。

 「認知症の心配がある人もそうでない人も、だれでも参加を」と呼びかける。この日訪れた高齢者も運営するボランティアも、全員がドリームハイツの入居者だ。

 「ゆめサロン」は週1回。約2時間のメニューは、脳トレ以外にも「体操」「歌」「コーヒータイム」など盛りだくさん。参加者が楽しみにしている合唱では、この日は「糸」「なごり雪」「島唄」などを歌った。

 ピアノで伴奏するのは、夢みん理事長の伊藤眞知子さん(71)。脳トレクイズを考えたり、コーヒーをいれたりする3人のボランティアも、すべて70代女性だった。

 伊藤さんは「私たちの介護予防にもなります」と笑顔を見せる。

 難読漢字の答えあわせが始まった。

 「ながらえる」「なぞらえる」「ひたむき」「ばっこ」。正解が読み上げられるたび、参加者からは「ああ『ひたむき』ねー」などと声があがった。

 ドリームハイツの入居は、1972年に始まった。

 住民同士の交流は、入居当初に幼い子どもを育てていた親たちによる自主保育活動などが原点にある。

 それから約半世紀。子育て世代だった人たちは、高齢期を迎えている。

「おしゃべりできるのはここだけ」欠かさず参加

 ゆめサロンに欠かさず参加するという79歳の女性は、40年以上前、子どもが小学生のときからドリームハイツで暮らしてきた。

 夫を亡くし、いまは一人住まい。

 「人とおしゃべりできるのはここだけ。来ると安心できます」と話す。

 夢みんは、有償ボランティアで、ゴミ出しや買い物同行など高齢入居者への生活支援活動や見守り訪問も実施している。

 こうした活動のなかで、「認知症かも?」という住民の変化に気づくことも少なくない。

 ゆめサロンでコーヒーの料金…

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