「3億円もらえる」「のど手術した」相次ぐ怪電話 店員らが被害防ぐ

高田純一
[PR]

 電話口で親族をよそおってきたり架空の請求をされたりしてお金をだまし取られる特殊詐欺の被害がなくならない。和歌山県警は昨年3月から被害防止の専用フリーダイヤル「ちょっと確認電話」(0120・508・878=これはわなや)を設置し、注意を呼びかけ続けている。

 県警によると、2021年の1年間に認知した特殊詐欺の件数は20年より27件多い59件。被害総額は20年より6718万円少なかったが9066万円に上るという。専用フリーダイヤルに相談があり、阻止できたのは21年3月からの1年間で282件だった。

 お金を振り込もうとした人がコンビニエンスストアや金融機関を訪れた際、店員らによって未然に防げた事例もある。

 3月15日、ファミリーマート和歌山六十谷駅前店の店員が、高齢者の男性から「5千円のプリペイドカードを購入したら3億円振り込んでもらえるので購入の仕方を教えてほしい」と尋ねられた。同店のマネジャーは、以前にも同じような詐欺被害を防いだ経験があり、110番通報したことで防ぐことができた。3月31日にも別の男性の被害をくいとめたという。

 3月30日には湯浅町の80代女性宅に息子を名乗る男から「のどの手術をしたので250万円が必要になった。スマホや財布を落とし、声の調子も悪い」と電話が入った。女性が訪れたきのくに信用金庫湯浅支店の職員は、つじつまが合わない言動に詐欺だと疑った。家族に連絡するよう助言すると女性は「急いできたのでスマホを家に置いてきた」という。そこで、別の職員が「家に戻って息子さんに連絡してからでも遅くないでしょう」と説得。一緒に女性宅へ行き、息子に連絡したところ詐欺だとわかった。

 県警はこういった特殊詐欺を防いだ店員らに感謝状を贈っている。高齢者の自宅まで付き添って被害を防いだ湯浅町の件について、有田湯浅署の川本恭資・副署長は「一歩も二歩も踏み込んでくれた」と感謝した。県警の遠藤剛本部長は「架空請求料金などの詐欺は、耳元でしゃべり続けて暗示にかけるようにしてくるので、『トイレに行く』などと言って電話をいったん切って冷静になってほしい。その上で家族や専用ダイヤルに相談してください」と話した。(高田純一)