農家の担い手、障害者が一役 「先進地」浜松の工夫とは

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大平要
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 障害のある人が農業現場で働くことで、障害者の就労促進と農業の人手不足解消を狙う「農福連携」が注目されている。先進地として知られる浜松市では10年以上前から、障害者を雇用する大手IT企業の子会社が、取り組みに加わっている。狙いと課題を探った。(大平要)

 2月下旬、浜松市浜北区のブロッコリー畑で、島田勇斗さん(19)が収穫作業に取り組んでいた。

 房の大きさを一つひとつ確認する。包丁の刃先から11センチのところに付けられた印を使い、房がそれより小さければ収穫しない。大きければ茎から切り取り、余分な葉を手際よく落としていく。「仕事は楽しい。いろいろなことが覚えられるから」。島田さんはそう話すと、すぐに次の房に取りかかった。

 畑では、高齢者や外国人も作業をしていた。一緒に働く高齢の女性は、「島田さんはとてもまじめ。安心して任せられるよ」。

 島田さんは昨年春、市内の特別支援学校を卒業して「CTCひなり」に入社した。同社は東京に本社を置くIT大手「伊藤忠テクノソリューションズ」の特例子会社で、浜松市にもオフィスを構える。

 ひなりは2010年に設立。東京でグループ会社の清掃や、社員へのマッサージサービスなどを想定していた。だが、これだけだと徐々に上がっていく障害者の法定雇用率の達成は難しい。障害者に出来る仕事をあれこれ調べる中で、農業にたどり着いた。

 浜松市にはすでに、障害者雇用の実績がある農家がいた。温暖で日照時間が長く、野菜や果物など多種多様な品目が栽培され一年中仕事があるのが進出の決め手となった。障害者を現場で指導、支援する「ジョブサポーター」も直接雇用。農家から作業を部分的に請け負う形で、農業に参入した。ひとりひとりの特性に合わせた道具や作業指示などを工夫している。島田さんが持つ包丁に印を付けたのも、サポーターのアイデアだ。

 今では浜松オフィスで障害者…

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