ロシアが「兄弟国」とみなすウクライナへの侵攻は、両国の亀裂を決定的にし、人々の絆も断ち切った。分断は修復できないほどに深い。
ウクライナの首都キーウ(キエフ)で4月26日、高さ8メートルのブロンズ像が解体された。1980年代に造られた、2人の労働者が寄り添って立つ、ウクライナとロシアの友好を象徴する像だ。スマホを手に、クレーンでの解体作業を見守る人々からは歓声が上がった。
蛮行認めぬロシアの親族 「もう付き合いきれない」
翌27日にも大勢の市民が跡地を見に来ていた。エンジニアのユーリさん(66)は「心境は複雑です。ロシア人の妻は(侵攻後)親族と連絡が取れなくなってしまいましたから。それでも私たちは撤去に賛成です」。
ロシアで暮らす妻の親族からは、妻や息子(42)に「ウクライナは間違った方向に進んでいる」という趣旨のメッセージや動画が届いた。「彼らはキーウ郊外ブチャでの蛮行も認めません。路上に遺体が放置されていた映像も認めない。SNSでの関係もブロックしました。もう付き合いきれない」
ウクライナに住むロシア人にも怒りは広がる。
キーウ郊外の街ブチャで41…
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