ウクライナを「獲得」して得るものは? 続く制裁、ロシアの国力に影

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 ロシアは5月9日、ソ連軍がナチスドイツに勝利した対独戦勝記念日を迎える。プーチン大統領が、ウクライナ侵攻の正当性や戦果を国民に訴えるとみられている。だが、侵攻の代償は高く、欧米や日本はロシアに対し、制裁措置を強めている。ロシア経済への影響は次第に大きくなり、将来的には国力の維持にも打撃を与える可能性がある。

 「野菜や牛乳が3割も値上がりした。今年はレストランや劇場に行く回数を減らさなきゃ」。モスクワ中心部のスーパーで5月上旬に買い物をしたフラワーデザイナーのアンナさん(43)は、最近の物価高をそう嘆いた。

 ウクライナ侵攻後、欧米などはロシアに厳しい制裁を科し、多くの外国企業が撤退や事業の一時休止を決めた。通貨ルーブルは一時、1ドル=約150ルーブルまで急落。物不足や値上げへの不安から、買いだめに走る人が相次いだ。

 ただ、調理師のウラジーミルさん(51)は「春先の値上がりはいつものこと。問題はない」と気にとめていない。ロシア中央銀行は今年のインフレ率を18~23%と予想するが、2~3月の影響が消える今年4月からの1年間は10~12%に緩やかになるとみる。昨年の8・4%に近い水準だ。

 一時はスーパーの棚から消えた砂糖や生理用品も復活し、地元のカフェやレストランは普段通りに営業する。ルーブル相場も1ドル=約66ルーブルと侵攻前より高くなり、一見すると平穏な暮らしが戻ったように見える。

国産ブランドが次々と…産業基盤は脆弱

 プーチン大統領は4月18日…

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