また大栄翔に… 「爆弾抱える」73代横綱 かつての強さは戻るのか

鈴木健輔
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 休場明けの横綱照ノ富士にいきなり土。小結大栄翔に押し出され、2場所続けて同じ相手に屈した。大関陣は、御嶽海が大関経験者の高安に勝利したものの、正代と貴景勝はともに平幕に不覚を取った。先場所で初優勝を遂げた関脇若隆景は白星スタート。

 10場所ぶりに初日を落とした照ノ富士は、土俵上で首をひねった。「もともと苦手な相手だから」と、取組後に師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が言った。

 確かに、大栄翔には先場所も敗れている。

 ただ、なすすべなく後退させられた相撲内容に、4度優勝した昨年のような強さは感じられない。

 先場所、横綱になって初めて休場した。左ひざなどのけがが悪化したためだ。

 思いの外、本人は落ち込んでいなかった。今場所前の電話取材では、「楽になった」と話していた。

 両ひざの大けがなどで、序二段まで落ちたのが2019年春場所。「復活してからずっと休みなく、走り続けた。常に気を張って、毎日、きついトレーニングをやっていましたから。本当に、久しぶりに、リフレッシュできた」

 30歳。かけっぱなしだったエンジンをいったん切り、気持ちが少し軽くなったのかもしれない。だからといって、ひざの古傷が完全に癒えたわけではない。

 場所前、弟子の状態を聞かれた伊勢ケ浜親方は「先場所の前よりは良いような気がする」と言い、こう続けた。「常に爆弾を抱えて相撲を取っている。やってみないと分からない」

 左ひざを負傷した今年の初場所12日目以降、土俵での成績はこれで4勝6敗だ。強さを取り戻せるのか。第73代横綱が苦境にいる。(鈴木健輔)