第65回父はソ連に処刑され ウクライナ西部、国が次々変わった87歳の人生

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リビウ州ザバディウ=坂本進
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 5月9日は、ロシアの第2次世界大戦の「対独戦勝記念日」。旧ソ連の一部だったウクライナでは、2013年まで軍事パレードが5月9日に行われるなど、以前はロシアとともにこの日を祝福してきた。しかし、市民の中には複雑な思いを抱えてきた人もいる。

 ポーランドとの国境まで10キロほどの西部リビウ州ザバディウ村に住むユリア・クディクさん(87)は、生涯で一度も「5月9日」を祝ったことがない。

 クディクさんはポーランドがリビウを統治していた1934年に、近くの村で生まれた。父親のミカイロ・ザハレビッチさんは、ウクライナ独立運動の活動員だった。44年ごろ、村にソ連が侵攻して統治を始めると、一家の自宅は何者かに放火された。父親は「政治犯」として知り合いに密告され、赤軍に連れていかれた。その後の消息は誰もわからなかった。

「父がやっていたことは…」

 リビウを含むウクライナ西部…

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