「アトリビューション」の取り組みは? 初代サイバー警察局長に聞く

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編集委員・吉田伸八
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 サイバー犯罪サイバー攻撃の被害が国内で深刻化している。警察庁は対処能力の向上を図るため、4月1日にサイバー部門の業務を一本化したサイバー警察局と、同庁が自ら捜査するサイバー特別捜査隊を発足させた。初代のサイバー警察局長に就任した河原淳平氏(58)に運営方針などを聞いた。

 ――サイバー空間の安全が脅かされているいまの状況をどう受け止めていますか。

 サイバー空間における脅威は極めて深刻な情勢が続いています。政府機関などに対する不正アクセスや、国家レベルの関与が明らかになったサイバー攻撃も確認されています。ランサムウェア(端末やサーバーのデータを暗号化して身代金を要求する不正プログラム)による被害が拡大し、医療機関が標的になるなど、市民生活に重大な影響を及ぼす事案も発生しています。特にランサムウェアの被害の深刻化、悪質化は世界的な問題です。

 ――サイバー警察局の発足によって、サイバー事案に対する警察の対応はどう変わりますか。

 警察庁ではこれまで、サイバー犯罪を担当する生活安全局、サイバー攻撃対策を担う警備局、技術的支援を行う情報通信局が連携しながら業務にあたってきましたが、これらを統合しサイバー警察局で一元的に対応することにしました。局では、都道府県警など現場で把握した情報を迅速に集約できるようになるし、情報を活用して統一的な方針のもとで都道府県警への指導や調整、被害防止のための対策などを行えるようになります。

 ――サイバー特捜隊は、国や地方自治体、重要インフラに支障が出たり海外の攻撃集団が関与したりする「重大サイバー事案」を対象に捜査します。特捜隊の体制整備はどのような状況で、捜査にはどう入っていくのですか。

 順次整備しており、今年中に約200人の体制が整う予定です。「重大サイバー事案」に該当するかどうかは、都道府県警から報告される情報をふまえてサイバー警察局で判断し、その中で必要がある事案について特捜隊が捜査することになります。

 特捜隊は国の立場から捜査をしますが、重大サイバー事案の捜査は都道府県警と連携して進めることが重要です。多くの場合、特捜隊単独ではなく、都道府県警と合同・共同で捜査することになると思います。

 ――日本の警察は、捜査の執行事務は都道府県が担い、警察庁は指導・調整する立場でした。サイバー特捜隊は自ら捜索や逮捕など行うことになり、警察制度の転換と言えます。国の警察権限の拡大につながるのではないかと懸念する声もありますが、適正な捜査をどう担保していきますか。

 サイバー特捜隊が捜査として…

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