なぜパンつまらせた?保育施設で亡くなった1歳男児 身近に潜む危険

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伊藤舞虹
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 愛知県内の認可外保育施設で昨年6月、1歳5カ月の外国籍の男児がパンをのどにつまらせた後、亡くなる事故が起きていたことが、県の検証委員会が9日までにまとめた報告書で明らかになった。施設を運営していた外国籍の園長は、県に設置を届け出ておらず、国の基準で必要な職員数も満たしていなかった。

 県は、再発防止のため、外国語での情報提供に力を入れる考えだ。

 報告書などによると、事故は昨年6月23日、愛知県三河地方の保育施設で起きた。男児は、他の園児から渡されたパンを誤ってのみ込んだとみられ、せき込んだ後に倒れたという。園長が口の中を確認したところ、パンのかけらがのどに詰まっていた。園長が病院へ搬送したが、約2時間後に死亡が確認された。

 園長は、2012年から無届けのまま自宅で保育施設を運営し、事故当時は1~3歳の子ども7人を預かっていた。国の基準では、6人以上預かる施設は複数の職員を配置し、保育士や看護師の有資格者も一定数確保するよう求めているが、園長は資格がないまま1人で保育をしていたという。事故を受けて、施設は昨年7月に閉所した。

 児童福祉法の規定で、16年度からは、預かる子どもの人数にかかわらず、都道府県に届けるよう事業者に義務づけられていた。だが、園長は日本語での意思疎通が難しく、「届け出の義務は、事故の半年ほど前に知人を通じて知り、準備を進めていた」などと検証委に説明したという。

 報告書は、届け出がされていれば、行政による指導が行われていた可能性を指摘。「(園児を)複数で見ていれば、事故を防げた可能性は高かった」としている。

 また、園児は外国籍の人々が集まるSNS上のコミュニティーなどを通じて集まっていたとされる。

 施設があった市の担当者は、「外国籍の人は認可保育所に入る要件を満たしていても、外国籍の人向けの認可外保育施設を選ぶ場合がある」と調査に説明。その理由として、言葉や文化の違いから日本の認可保育所になじみにくかったり、認可外の方が長時間、子どもを預けたりできる点をあげている。

 県の子育て支援課は、「事業者に対しても、保護者に対しても、外国籍の方へのサポートが十分ではなかったと考えている。これまでは主に日本語での案内にとどまっており、多言語での情報提供に努めたい」としている。

 一方、報告書は、食品の誤嚥(ごえん)事故そのものは家庭を含むあらゆる保育の場で起こり得るとして、広く注意を呼びかけている。

 男児が口に入れたのは市販の…

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