空き家対策、住民と勉強会 三重・伊賀

松尾慈子
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 約2100棟の空き家を抱える三重県伊賀市は、このほど初めて、猪田地区をモデル地区とした「空き家問題に関する勉強会」を開いた。住民約25人が参加して市空き家対策室からの説明を聞いた後、意見交換が行われた。森口浩司室長は「皆さんからの意見を聞いて、解決の道を探りたい」と期待している。

 空き家増加の要因は、少子高齢化や新築物件の供給が世帯数の増加を上回るといった全国的な要因に加え、若い世代の転出、移住者を受け入れる基盤ができていないなど、地域的な要因もあると市は説明する。現在約9万人の人口は2040年には約6~7万人に減少すると予想され、空き家増加は避けられない。

 所有者に対し、市が撤去や修繕を勧告・命令することができる「特定空き家」は猪田地区に4棟あるが、地元の調査では、倒壊の恐れがあるなど問題がある空き家はこのほかに16棟あった。住民からは「所有者の分からない家もある。市はどこまで対応できるのか」との質問が出た。

 「所有者を調べる権限は市にある。ただ、これまで市内で約570件に改善のお願いなどをしたが、返事があったのは約3割で、7割が改善されないのが現実。所有者が多数いる場合は特になかなか解決に至らない」。市側は問題の難しさを語った。家がなくなると固定資産税の優遇措置対象でなくなるため、あえて空き家を残しておくケースもあり、税制上の課題だと市は解説した。

 猪田地区住民自治協議会の森井寛章会長は「本格的に対策を進めていくために、定期的に取り組んでいきたい」と話している。

 市は空き家対策として、市への転入希望者へ家を紹介する「空き家バンク」の利用を呼びかけている。これまで約1200件の物件登録があり、144件が契約に至ったという。建築士や不動産鑑定士、司法書士といった専門家に1カ所で相談できる「ワンストップ空き家相談会」も年2回開いている。(松尾慈子)