第3回「生活どうなる」石炭火力の島 脱炭素が生む雇用は地域を救えるか

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北川慧一
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 かつて捕鯨と炭鉱で栄え、いまは石炭火力発電所に頼る小さな島が、脱炭素に揺れている。長崎県の本土側から1キロほど西の海に浮かぶ松島は、人口2万6千人の西海市連絡船で結ばれている。

 夕暮れ時、市中心部にある波止場に着く船は、作業着姿の男性らであふれていた。電源開発(Jパワー)の松島火力発電所(1、2号機、計100万キロワット)での仕事を終えて家路を急ぐ人たちだ。発電所のメンテナンスを担っているという市内の30代男性は「この辺りでは、貴重な働く場所です」。周りには市役所などの公共施設や旅館はあるが、空き店舗が目立つ。

 発電所の岸壁には石炭船が横付けされ、東京ドーム3個分に当たる約13万6千平方メートルの貯炭場に石炭が野積みされていた。作業員が重機で仕分けし、粉砕して微粉にする。その後、ボイラーで燃やして蒸気を発生させ、タービンを回して発電する。

「石炭火力の島」に吹く逆風 国の方針に反し、存続を求める市

脱炭素によって新たな産業が興り、良質な雇用が生まれるーー。「グリーン成長」の理想の姿だが、エネルギー転換に伴って打撃を受ける働き手もいます。そこにどう配慮するか。「公正な移行(ジャスト・トランジション)」の難問に直面する現場を訪ねました。

 石炭は燃焼時に二酸化炭素(…

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