中国空母、沖縄南方で「艦載機発着100回超」 台湾有事を念頭か

成沢解語
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 岸信夫防衛相は10日、中国海軍の空母「遼寧」が3~8日、これまでで最も日本に接近した海域で艦載機を100回以上発着させたと明らかにした。台湾に近い沖縄の南方で、台湾有事が念頭の訓練との見方もあり、岸氏は「懸念をもって注視せざるを得ない」と述べた。

 遼寧を含む艦艇8隻は2日に沖縄本島宮古島の間を太平洋に南下。3~8日には沖縄県の沖大東島の南西約160キロから石垣島の南約150キロの海域で、艦載機の戦闘機やヘリが遼寧を発着し、回数は「100回を大きく超えた」という。過去も発着の確認はあるが回数の公表は異例。防衛省関係者は「回数は多い方とみられ活動の激しさが増している」と指摘する。

 遼寧は中国がウクライナから購入した旧ソ連の空母を改修した中国初の空母で2012年に就役。南シナ海や太平洋に度々進出している。空母の航行は多数の戦闘機を長時間にわたり遠隔地で運用できることを意味し、自衛隊関係者は「中国の軍事基地がそのまま日本に迫ってきたようなもの。接近すること自体が大きな軍事的圧力だ」と警戒する。

 空母への攻撃に対抗する「中国版イージス艦」のミサイル駆逐艦のほか、同艦より約2倍のミサイルを積める中国海軍最大規模の最新鋭ミサイル駆逐艦、空母の航行速度に合わせて燃料を補給できる高速戦闘支援艦も遼寧に同行し、「実戦的な艦艇の構成」(防衛省幹部)という。

 同省によると遼寧は日を追うごとに台湾に近づき、9日も周辺海域で確認された。中国側からは中国空軍の戦闘機も台湾に近づいたとされ、同省幹部は「海軍と空軍で台湾を挟み撃ちする作戦を想定した訓練の可能性がある」と指摘する。(成沢解語)