第1回習近平と本音で語り合えたはずが… 一転、バイデンに芽生えた警戒心

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ワシントン=園田耕司
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 「私は世界の政治指導者の中でだれよりも習近平と最も多くの時間を過ごした」。こう語るバイデン米大統領は、オバマ政権の副大統領だったころ、中国の国家副主席だった習と長時間にわたって語り合うことで理解を深め、一緒に中国国内を旅したこともある。

 中国への穏健派としても知られていたバイデンが、その習を相手に強硬路線へと傾いた深層には何があるのか。中国で2人が交わした会話の全容を知る元米政府高官の証言から迫る。

 その日の朝には夜通し降り続いていた雨はやみ、北京の空に晴れ間が広がっていた。

 2011年8月18日午前10時半過ぎ、天安門広場西側にある人民大会堂。米副大統領のバイデンは、建物の入り口に中国国家副主席の習近平の姿をみとめると、両手を広げてにっこりとほほ笑んで歩み寄った。

 2人はがっちりと握手を交わすと、深紅のじゅうたんの上を談笑しながら、肩を並べて歩き始めた。

 「私はいつも中国の人々とその偉大なる歴史を尊敬している。1979年に訪れたときも、万里の長城を含む驚くべき奇跡を見る機会を得た」

「あなたは称讃されるべきだ」

 会議の席に着いたバイデンは、向かいに座った未来の中国のリーダーの顔を見ながら、親しげに話しかけた。バイデンに終始笑顔を見せる習。2年後の全国人民代表大会全人代)で胡錦濤の後を継いで国家主席に選出され、中国人民13億人の頂点に立つことが固まっていた。

 バイデンは自身が若き上院議員のころに初めて中国を訪問し、当時副首相の座にあった鄧小平に会った思い出を懐かしそうに話していたが、「しかし……」と言葉を継いだ。

 「1979年と2011年の…

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