ハンセン病資料館学芸員の不採用は不当労働行為 都労委が救済命令

有料記事

編集委員・北野隆一
[PR]

 東京都労働委員会は、国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)で労働組合を結成した学芸員2人を不採用としたことが不当労働行為にあたると認定し、2人を採用したものとして扱うよう、資料館を運営する笹川保健財団(東京都港区)に命じる救済命令を9日に出した。これを受け2人は10日、東京都内で記者会見し、「財団は都労委の復職命令を実行し、私たちを職場に戻してほしい」と語った。

 命令書によると、学芸員の稲葉上道(たかみち)さん(49)と大久保菜央さん(45)は上司らからハラスメントを受けたとして2019年9月、厚生労働省から運営を受託していた日本財団(港区)に対応を求めて労組を結成。20年4月に運営を引き継いだ笹川保健財団は異例の採用試験を行い、2人を不採用とした。2人が加入する国家公務員一般労働組合は5月、両財団を相手取り、都労委に救済を申し立てた。

 都労委は「日本財団の運営を批判する組合活動を笹川保健財団が警戒し、採用試験の不合格という形式を装い、2人を排除した」と判断。笹川保健財団による雇い入れ拒否は「組合活動を理由とした不利益取り扱い」にあたると認定。一方、日本財団への申し立てについては「両財団に密接な関係が認められるとしても、事実上一体とまではいえない」として棄却した。

 笹川保健財団は「命令の内容…

この記事は有料記事です。残り34文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません