資源高で過去最高益、でも「喜べない」 脱炭素に手応えなく 出光

宮川純一
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 石油元売り大手の出光興産が10日発表した2022年3月期の決算は、売上高が前年比1・5倍の6兆6867億円、純利益が前年比8倍の2794億円となり、統合前も含めて過去最高益となった。原油や石炭の価格が上がったことで、利益がふくらんだ。

 木藤俊一社長は会見で「手放しで喜べるような最高益とは全く思っていない」と述べた。自社で権益をもつ石炭や安く仕入れた原油の価格が高騰したことで、売却益が大幅に増えたという。特に前年は赤字だった石炭事業が牽引(けんいん)した。売上高は前年比9割増の2634億円と改善し、423億円の利益を生んだ。新規開発はしないが、ENEOS(エネオス)ホールディングスが石炭事業からの撤退を決めたり、伊藤忠商事が縮小したりするなかで、資源高騰の恩恵を受けた。

 一方、将来の脱炭素に向けてバイオ航空燃料やアンモニアの技術開発を進めているが、現状では採算は取れていない。木藤氏は「カーボンニュートラル(脱炭素)に向けた取り組みでは、大きな手応えにつながらなかった。獲得した利益を十分に活用しながら着実に進める」と話した。(宮川純一)