PFUがリコーの子会社に 現状維持に地元は「安堵」

樫村伸哉
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 富士通の完全子会社でスキャナー大手のPFU(石川県かほく市)が、リコーに売却されることになった。商品や事業、雇用に変化はなく、地元・かほく市も歓迎している。

 富士通が所有するPFUの株式の8割を7月1日付でリコーに842億円で譲渡する。県内の約1200人を含めたPFUの従業員約4500人の雇用は維持される。リコーは「両社の製品・サービスや技術・ノウハウ、顧客基盤を活用し、さまざまな業種における現場のDX(デジタル化による変革)を加速する」とコメントを出した。

 PFUは1960年に「ウノケ電子工業」として創業した。個人向けスキャナー「スキャンスナップ」で知られるスキャナー事業は世界トップのシェアで、21年3月期の売上高は約1149億円。リコーの子会社になることについて、PFUは「多くのシナジー(相乗効果)が見込まれ、当社の成長とともにリコーグループの発展に寄与できる」とみている。

 かほく市によると、PFU幹部から4月28日に説明を受けた。油野和一郎市長は「PFUにとってさらなる発展につながり、組織体制や雇用は現状を維持するとのことで安堵(あんど)している」とのコメントを発表した。

 市は2020年10月から、ふるさと納税の返礼品にPFUのスキャンスナップを加えた。それまで年間の寄付総額は6千万円程度だったが、同商品の人気で20年度は3億5648万円に激増。21年度も3億7108万円のうち同商品狙いの寄付が8割を占める。

 PFUは女子バレーボールVリーグ1部の「ブルーキャッツ」を運営。かほく市役所にチームを応援するコーナーがあり、市民や選手のコメントが紹介されている。市の担当者は「PFUはなくてはならない存在。商品と活動を引き続き応援し、良好な関係も継続したい」と話した。(樫村伸哉)