「草刈るとタンポポ増加」なぜ? 京都の高校生が研究、全国2位に

滝川直広
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 高校生が自分たちの取り組む探究活動を披露する「全国高校生マイプロジェクトアワード」で、タンポポの生態や分布を調べた宮津天橋高校(京都府宮津市)3年の藤本和奏(わかな)さんが、2位にあたる「ベストマイプロジェクトアワード」を受賞した。調査で知った「ある言葉」を聞き逃さず、人間とタンポポの関わりの考察に役立てた。

 中学生のころから生物多様性に興味があり、将来は研究者として環境問題に取り組みたいという藤本さん。高校入学後はフィールド探究部に入り、在来種のタンポポを保護したいと思い、研究を始めた。

 フィールドは宮津市や京丹後市などにまたがる丹後半島北部。在来種と外来種、雑種の分布を確認していった。

人が草を刈って… 住民の言葉から仮説

 在来種の生育地は山間部の谷間の集落がほとんど。いわゆる里山の環境だが、そこで聞いたのが「草を刈ればタンポポが増えるんよ」という住民の言葉だ。

 理由を考えた藤本さんは、人が草を刈って日光が当たりやすい環境にしているので、図らずも在来種が生育し続けられているとの仮説を立てた。

 さらに在来種と雑種の1本あたりの種子を数え、それぞれの種子を高さ1メートルから落とした時の速度を比べた。在来種のほうが種子の数が少なく、落下速度が速かった。

 落下速度が速いということは、空中に存在する時間が短く、広がりにくいと考察。人の手が入ったおかげで生育できていると仮説を立てた在来種が、種子の数と広がりやすさの点で雑種に劣ると結論づけ、「丹POPO女子が見つけたこと」と題してまとめた。

 「過疎などで山間の集落に人の手が入らなくなれば、在来種は生育できなくなる恐れがある。多様な在来種が存在していることこそが『丹後の価値』。発信していきたい」

 藤本さんはそう話し、手描きの絵で在来種を紹介する「丹POPO図鑑」と、在来種を集めた庭「POPO園」作りにとりかかっている。(滝川直広)