北極へ、南極へ導いてくれた恩師との別れ、越えられぬ距離と時間

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中山由美
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 日本出発から帰国まで1年4カ月。やりたいことがやり尽くせないと思えば短い。何があろうと帰れないと思うと南極越冬は長い。家族や大切な人の訃報(ふほう)に接しても、越えられぬ距離がある。

 2020年8月、恩師の悲報が続いた。私を北極へ、そして南極へと導いてくれた2人だった。

 昭和基地の自室でパソコンを開くと、野性味あふれるひげの笑顔の白黒写真が目に飛び込んだ。「コンラッド・シュテフェンさん死去、スイス人研究者がグリーンランドでクレバス転落」とのニュースが流れていた。68歳だった。

 愛称はコニー。南極・北極を…

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