AV対策新法に「待った」 性行為の撮影、合法化しないで

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聞き手・久永隆一、白見はる菜
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 アダルトビデオ(AV)撮影による被害を防ぐため、与党がまとめた新しい法律の骨子案に対し、「性行為の撮影を合法化してしまう」と懸念の声が上がっています。どんな問題があるのでしょうか。被害相談に応じるNPO法人「ぱっぷす」の支援員を務める岡恵さんと、理事長の金尻カズナさんに話を聞きました。

音信不通になった相談者

 ――新法にはどんな懸念があるのでしょうか。教えてください。

 岡さん まず、与野党が協議している法案の骨子案にAVの定義が書いてあります。「性行為などを撮影した映像」という趣旨の文言です。性交など性行為の撮影を肯定することが前提となっており、この法律自体がそうした性行為を伴う契約が許されると認めてしまうことになります。

 9日に国会であったヒアリングでも与野党の国会議員には、この定義を変えてほしいと要望しました。11日に法案の条文が示されるそうですが、修正されると信じています。

 「もう希望は見せないでください」。ある相談者に言われた言葉です。一緒に警察や弁護士に相談に行くなどしましたが、どうしても救済策が見つからない。そう言われた後、連絡が取れなくなりました。相談者がこの法律を読んだ時、自分を助けてくれるものだと、真の希望が持てるものにしてほしいです。

 ――AVの撮影では実際に性行為が行われていると考えられます。

 岡さん 今、AVは脱法的な存在だと、私たちは捉えています。お金を払って、性行為が行われる。売春防止法に抵触するようにも思えます。ところが、AVを撮影・制作する側は、①不特定の人との性行為ではない②性行為そのものではなく、AVに出ることへの対価である、といった理由を付けて売買春を禁じる法律の網をかいくぐり、「違法ではない」と主張してきました。

 何よりもこれまでAVを規制する法律がなくて違法とは言えなかったわけです。合法ではないが、違法とも言い切れない。そんなAVを、社会も黙認してきました。

「演技でも、作品でもない」

 ――ヒアリングでは、「性行…

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