「復帰」の日に結婚式、「君たちへのお祝いだ」 市長が手渡したもの

有料会員記事沖縄・本土復帰50年

編集委員・谷津憲郎
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 日暮れ時から始まった結婚披露宴に正装で臨んだのは、27歳の金城(きんじょう)健一さんと一つ年下の玉城(たまき)弘子さん、その親族を除けば、わずかしかいなかった。なぜこの日に、という声も金城さんの耳に届いていた。

 1972年5月15日、那覇市。沖縄は27年間に及んだ米国統治の歴史に終止符を打ち、日本に復帰した。2人はこの日、式を挙げた。

 しかし沖縄は、喜び一色とは到底言えなかった。広大な米軍基地の8割が、復帰後もそのまま残る。午後には土砂降りの中で抗議集会が開かれ、約1万人が集まった。

 金城夫婦の友人たちも、集会でこぶしを突き上げ、ずぶぬれの雨具姿で披露宴に駆けつけた。

 当時、那覇市役所で市長秘書を務めていた金城さんに、来賓の平良良松市長が小さな冊子を取り出して渡した。

 「これが君たちへのお祝いだ…

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