例えば稽古とは 能楽師・有松遼一はコロナ下で考えた 初の随筆集

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向井大輔
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 東京の一般家庭で育った有松遼一(39)は、京大生の時に能楽と出合い、その世界へ飛び込んだ。大学院まで進んで和歌や連歌を研究し、冷泉家時雨亭文庫の調査員も担う。そんな多才な能楽師が、コロナ下で何を考え、どんな行動をしたのか。随筆集「舞台のかすみが晴れるころ」にまとめた。

 2007年に能楽ワキ方の故・谷田宗二朗に入門し、京都を中心に全国の舞台に立った。海外公演にも参加。新作能の執筆も手がけるなど、精力的に活動してきた。それが20年春、コロナ下で一変した。出演予定だった公演が次々と中止になった。

 「舞台の息吹や感覚は生きものであり、いつも身体に語りかけるものだ。補助輪のない自転車がしばらく静止していられないように、走りつづけてこそ保たれるものなのだ」

 有松は危機的な状況をこう表した。そこで始めたのが、「書くこと」だった。紡ぎ出される言葉には、能のことから日々の暮らしにいたるまで、真摯(しんし)に向き合う思いがにじんでいる。

 例えば、「稽古ということ」…

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