覚えること多すぎ・書類の誤送付… 先輩も失敗した 新卒を救う一言

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御船紗子
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 仕事をバリバリこなす先輩も、今は偉くなっている上司も、新人時代はたくさん失敗をしていた。そんな「新人」を救ったのも先輩の一言。あの時があったから今がある。街で出会った人たちに、救われた一言と新人へのエールを聞いた。

 都内の住宅会社に勤める佐藤雅紀さん(44)は新人のころ、間違った内容の案内書を別の顧客へ送ってしまうミスをしてしまった。

 気づいた瞬間、「取り返しのつかないことになった」と頭が真っ白に。ミスを知った上司は、佐藤さんを連れて顧客のもとへ。一緒に頭を下げてくれた。

 人に迷惑を掛けてしまった……。

大型連休が終わって仕事のある日常が戻ってきました。新社会人にとっては、慣れない業務でミスをするなど、落ち込む時期かもしれません。記事の後半では、食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」にアルバイトで入社して副社長になった江澤身和さん(41)に、自身の新人時代を踏まえつつ、仕事への向き合い方を聞きました。

 申し訳なさでいっぱいだった時、上司がこう声を掛けてくれた。

 「(失敗は)みんなやることだから。もうやるなよ」

 少し心が軽くなった。

 「同じミスを繰り返さないよう学ぼう」と思えるようになった。

「重く考えなくていい」と思えた

 今春、新入社員が仲間に加わった。仕事に慣れようと一生懸命な姿を見て思う。「失敗を恐れても手足がすくむだけ。何事も挑戦して、失敗して、たくさん経験を積んでほしい」。自分もかつて通った道だから、そう願っている。

 SNSを使ったIT事業をフリーランスで手がける平井雅樹さん(25)は2年前、新卒で大手ブライダル会社へ就職した。入社から半年ほど経ったころ、新しく覚える業務が多すぎて余裕を失った。

 周りは「もっと頑張れ」「しんどいのは最初だけ」と励ましてくれた。だが「逆に思い詰めてしまった」。

 そんな平井さんを見て、仲のいい先輩は言った。

 「ここが合わなくても、会社は他にもある。ここで頑張らなくちゃと思わなくていい」

 目からうろこだった。「自分の悩みもそこまで重く考えなくていいと思えた」

 気が楽になり、もう一度頑張ることができた。

30歳で失敗 今度は自分が励ます側に

 現在は独立した立場。新社会人には「今は終身雇用の時代じゃない。会社で頑張るにせよ、別の道に進むにせよ、常に自分で考えることが大切」とエールを送る。

 都内の建築会社に勤める伊藤亮太さん(48)は30歳くらいのとき、仕事で大きなミスをした。

 入社して以来、多くの工事現場を回り、経験を積んだ。自信を持って取り組んだ仕事だった分、落ち込んだ。でも周りに悟られないように振る舞っていたつもりだった。

 そんな伊藤さんの気持ちを知ってか知らずか、当時の上司は「お前ならできる!」と笑顔で言ってくれた。

 この一言で、失った自信を取り戻せた。チャレンジする気が湧き、仕事を続けられた。

 もし今後若手が悩んでいる場面に出くわしたら、今度は自分が励ましてあげたい。そう思っている。御船紗子

アルバイトから副社長へ 何度も壁にぶつかった

 短大卒業後はフリーターとして働き、やりたいことが見つからなかった半年間はニートも経験した。そして、アルバイトから副社長に。何度も困難を乗り越えながら、異色の経歴を積んできたスープ専門店チェーン「Soup Stock Tokyo」(スープストックトーキョー)副社長の江澤身和(みわ)さん(41)に、仕事で壁にぶつかった時に励まされた言葉や、新人へのエールを聞きました。

えざわ・みわ 1981年生まれ。41歳。東京出身。2019年からスープ専門店チェーン「Soup Stock Tokyo」(スープストックトーキョー)副社長。05年にアルバイトとして同店で働き始め、07年から社員に。丸ビル店、アトレ四谷店、エチカ池袋店の店長を経て、10年に法人営業部。16年2月、分社化に伴い同社取締役に就任した。「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018」で個人部門・チェンジメーカー賞。

 ――困難にぶつかったとき、誰かの言葉に元気をもらったことはありますか

 いくつかあります。あえて一つ選ぶなら、2016年のこと。それまでやっていた法人営業から離れ、人材開発部の部長をやるようになりました。同じ時期に分社が決まって、取締役もやることに。いままでの業務内容からやることが大きく変わりました。

 営業だとなにか行動を起こせば何かしらの成果がでていたのに、人事の仕事は成果がみえなくて難しかった。取締役として自分が人前に立つのも得意じゃありませんでした。

 そんな私に今の社長が、「や…

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