「ふつう」になれなくて悩むあなたに 人生変えたナゾすぎる「存在」

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島崎周
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 彼女(30)は、「ふつう」とは違うと感じていた。小学校ではクラスメートから避けられているように感じ、中学校では生物実験室の前の水槽や標本を見る趣味を変に思われた。

 「自分は嫌われている」。「自分の趣味は周りから見れば変なんだ」。できるだけ人と同じになろうと思い、興味のあることにはあえて興味のないそぶりをして過ごした。

 でも、ふと周りを見て、気がついた。すれ違う野良猫や電線にとまっているカラスやスズメは、自分を避けずに何事もなかったように過ごしている。生き物だけは自分を認めてくれると思えた。見ているだけで気持ちが安らぎ、それが心の支えになった。

 高校3年の夏、時間をつぶすためにたまたま書店に入った。その時、手に取った本が人生を変えた。世界の変わった生物を紹介する本で、ある生物に目がとまった。

 口紅を塗ったかのような真っ赤な唇。四脚に見えるヒレ。魚なのに泳ぎが苦手。「なんだこれ、かわいい!」。自分の想像を超える生命体が、この地球上にいるということへの驚きと、一目ぼれとも言える感情に体中が熱くなった。

 見た目も生き方も奇妙な魚は、エクアドル領ガラパゴス諸島に生息する「ガラパゴスバットフィッシュ」だった。彼女は後に「バットフィッシャーアキコ」と名乗ることになる。

 そのままその本を購入。気がつくと、近くのファストフード店で同じページを2時間眺めていた。世界中のどの水族館にもいない珍魚を、どうしても見たくなった。どうすれば会えるのか――。

 まず思いついたのは、現地の…

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