証券エリートが堕ちたわけ 日興元幹部が嘆いた三井住友銀の「幻想」

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稲垣千駿、山本恭介、川嶋かえ
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経済インサイド

 「市場の門番」と言われる証券会社には、信頼を一瞬で失う犯罪が二つあると言われる。関係者だけが知りうる情報をもとに株取引などでもうける「インサイダー取引」と、株価を意図的に上下させる「相場操縦」だ。ところが近年、その両方の事件を相次いで起こしている証券会社がある。国内三大証券のひとつ、SMBC日興証券だ。

 その日興には、業界内で「エクイティ(株)部門の顔」と呼ばれてきた2人の人物がいた。いずれも外資系出身のエリートで、この10年ほど、日興の収益拡大の一翼を担ってきた。

 一人は、社内で「マック」という愛称で呼ばれた「すご腕の日本人トレーダー」だった。米国のカリフォルニア大バークリー校を卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。2015年に億単位の報酬で日興に引っ張られた。

 もう一人は、UBS証券で「営業のエキスパート」としてならした経歴の持ち主で、市場関係者が集う国際会議で講演するほどの人物だった。

 だが彼らは今年3月、業界内で最もやってはいけないはずの相場操縦に関与した疑いで東京地検特捜部に逮捕され、いまは被告になっている。会社のナンバー2の副社長の逮捕劇にまで発展し、法人も含めて金融商品取引法違反の罪で起訴された異例の事件だ。

 関係者によると、副社長を含めた3人は、いずれも取引の違法性を否定しているという。今後開かれる公判で争う見通しだ。ただ、業界では「常識に反する異常な取引」と厳しく批判され、日興も審査に不備があったとし、「法人の責任は免れない」と認める。

 エリート証券マンたちはなぜ、そんな取引に手を出したのか。そしてなぜ、日興で不祥事が繰り返されるのか。捜査当局や日興関係者らへの取材を進めていくと、エリート集団の特別な立場や親会社・三井住友フィナンシャルグループ(FG)との関係など、日興特有の重たい課題が見えてきた。

 関係者によると、マックこと…

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