馬毛島・アセス準備書で防衛省が説明会 航空機騒音予測に異論相次ぐ

具志堅直
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 米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)の馬毛島鹿児島県西之表市)への移転に伴う自衛隊基地整備計画で、防衛省は10日夜、整備に向けた環境影響評価(アセスメント)の結果をまとめた「準備書」の初めての説明会を西之表市民会館で開いた。航空機騒音を含めた総合評価で、事業に伴う環境保全策を「適正」とした防衛省の判断に対し、計画反対の住民を中心に異論が相次いだ。

 説明会は九州防衛局熊本防衛支局の主催で、17日まで計5カ所で実施する。10日は市民ら約110人が出席。本省の担当職員が事前調査と予測、その評価内容の概要を説明した後、15人以上が質問した。

 とりわけ疑問の声が集中したのが、戦闘機などによる騒音の影響だ。

 防衛省は、昨年5月に馬毛島上空で実施した自衛隊機によるデモ飛行や他基地での計測結果を踏まえ、種子島からできる限り遠ざけた滑走路配置での飛行経路でもあるため、騒音レベルは環境基本法の基準値を下回ると報告。「コースを外れて種子島上空を飛ぶことはないのか」との住民の最も関心の高い指摘に対しては、「非常にまれなケースはあるかもしれないが、3年間モニタリングし、国の責任で適切に対応したい」と述べた。

 モニタリングとは、航空機騒音自動観測装置などで基地供用後3年程度実施する「環境監視」のこと。生息するシカの個体数推移などの「事後調査」も行われる。準備書に記載されたこうした内容について、賛成派から調査結果のこまめな情報提供を求める意見もあり、防衛省は年1度公表すると説明。反対派は「基地が出来てから調べるでは困る」と戸惑った。

 このほか、岩国基地山口県岩国市)配備の米空母艦載機の深夜のFCLP後は岩国に帰還せず馬毛島にとどまることや、種子島と馬毛島を結ぶ九州電力の海底ケーブルを使って電気を供給することなどが明らかにされた。質疑は終了予定時刻を40分ほど超える2時間近くに及んだ。

 説明会の冒頭には、報道陣の撮影や録音を制限することを防衛省側が説明し、会場から批判が出て撤回する一幕もあった。終了後、賛成派の男性は「反対側の質問に時間がとられた感があったが、回答内容にはおおむね満足した」。反対派の男性は「予定調和の回答ばかりで、もっと誠実に答えてほしかった」と話した。(具志堅直)

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 馬毛島基地(仮称)の環境影響評価(アセスメント)の準備書は県庁や西之表市役所などで19日まで縦覧できるほか、九州防衛局のホームページでも見ることができる。

 また、評価書作成の手続きの一環として、6月2日まで準備書に対する意見を郵送やファクス、メールで防衛省に提出できる。様式は自由。問い合わせは熊本防衛支局(096・368・2173)へ。