相談先の雰囲気知って 社会的養護経験者ら ウェブで紹介

川野由起
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 児童養護施設や里親などのもとで育った若者が、大人になって困り事を抱えたときに身近で相談できる支援団体をまとめたサイトができた。制作に携わったのは、かつて同じ境遇にいた埼玉県内の若者たちだ。

 児童養護施設や里親など社会的養護下を巣立った若者を支援する一般社団法人「コンパスナビ」(さいたま市)が2月につくった。サイト名は「なびんち」だ。「家賃が払えない」「弁護士に相談したい」「高卒認定がほしい」などさまざまな悩みごとに対応できる支援団体を都道府県別に調べられる。

 サイト上では、現在社会的養護下にいたり、施設を卒業したりした若者が、支援団体を訪れて取材している様子が動画で紹介されている。それぞれの団体の雰囲気や職員の人柄を伝え、相談のハードルを下げようというねらいだ。

 埼玉県内では、子どもの学習支援や居場所事業を手がける「さいたまユースサポートネット」(さいたま市)や風俗業界で働くシングルマザーの支援をする「ハピママメーカープロジェクト」(川口市)などが掲載されている。

 背景にあるのは、18歳で社会的養護下を離れた若者たちがその後に抱える生活上の問題だ。厚労省の20年度の調査では、過去5年に施設や里親家庭を離れた「ケアリーバー」のうち、約23%が「家計が赤字」だった。現在困っていることや不安なこととして「生活費や学費」「将来」「仕事」をあげるケアリーバーが、それぞれ約3割を占めた。

 自身も児童養護施設出身で、コンパスナビのブローハン聡さん(30)は、「地域の相談先を若者が知らないことも多い。気軽に相談してもらえるきっかけにしてほしい」と話す。

 同じ地域で活動している支援団体どうしでも、互いの支援内容や課題を共有できていないことが多い。ゆくゆくは若者や支援団体が一堂に集まって活動内容を共有し、政策提言につなげる場にしたいという。

 サイトのURLは、https://navinchi.jp/別ウインドウで開きます(川野由起)