中国・上海市全体を覆う都市封鎖(ロックダウン)がしかれたとき、一部の企業は会社や工場そのものを「隔離」して、中では活動を続けるという事態に追い込まれた。内部でも厳しい感染対策を取らなければならず、従業員が会議室などでの寝泊まりを強いられている。外部との出入りを制限する、企業版「バブル管理」の実態とは――。
カーペット敷きの床に広げられた布団や寝袋。荷物棚にハンガーをかけて乾かされた下着。過酷な環境下でなんとか快適に過ごそうと、段ボールで囲って作った即席の個室もあった。
上海市郊外の化学コンビナートの一角にある三井化学の合弁工場。3月末、事務所建屋の会議室は、従業員が集団で寝泊まりする「居住空間」へと様変わりした。
同社は、中国の国営企業との合弁会社「上海中石化三井弾性体」で、主に自動車部品に使う合成ゴムの原料などをつくっている。
ロックダウンの知らせは、急にやってきた。
新型コロナウイルスの感染が…

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