月面での植物栽培へ「一歩」 月の土で育つか、米チームが実験
水戸部六美
月の土で植物は育つか――。そんな疑問にこたえる実験結果を米国の研究チームが出した。育つには育つが、地球の火山灰に比べると発育が悪かったという。月に人類の活動拠点を築く米国主導の「アルテミス計画」が進む中、この成果は、月面の植物栽培に向けた「一歩」となりそうだ。
アルテミス計画では、アポロ計画以来、約半世紀ぶりに人類が月をめざす。計画が始動したことで、月の環境が生物に与える影響への関心が高まっている。
植物は、光合成によって二酸化炭素を取り込み、酸素を供給する。食料にもなる。人類が長期的に地球外に住む上で、重要と考えられている。
アポロ計画では、月の土や岩石を地球に持ち帰ってきた。未知の病原体が含まれていないか調べるため、土を葉の表面にこすりつけたり、苗などに振りかけたりした。しかし、持ち帰った土に種をまいて植物を育てたことはなかった。
そこで研究チームは、アポロ11号、12号、17号がそれぞれ持ち帰った土を使い、植物を育ててみた。
900ミリグラムの土に、実…
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