第5回「ジェネレーション・レフト」が求める変革 環境にも貧困にも正義を

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木村聡史
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 3月25日、東京都新宿区のJICA(国際協力機構)のビル。気候危機対策を求める若者運動「フライデーズ・フォー・フューチャー(FFF)ジャパン」の10~20代のメンバーが抗議の声をあげていた。

 標的は、バングラデシュ南東部マタバリ地区の石炭火力発電所。JICAの事業で建設が進む。乾期は塩田、雨期はエビの養殖がさかんな沿岸の町で、住民の暮らしに影響が出ている。

 「日本企業の利益のための投資が、破壊を生み出し、私たちを苦しめている。すぐに事業から手を引くべきだ」。こう訴えるのはファルザナ・ファルクジュムさん(23)。FFFバングラデシュの一員だ。

 FFFは、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの抗議活動をきっかけに始まった。先進国や富裕層の経済活動によって、途上国や貧困層が、気候危機の負荷を押しつけられている――。そんな不条理を正そうと、運動の輪は世界に広がった。中核にあるのは「気候正義」という考え方だ。マタバリ地区の石炭火力を、FFFバングラデシュは「不正義の縮図」と断じる。

「石炭火力から撤退せよ」。プラカードを掲げた東京の若者たちがノーを突きつけるのは、日本から4800キロ離れたバングラデシュ。彼らは環境にとどまらず「正義」の問題を問いかける。社会変革を声高に求める若者世代「ジェネレーション・レフト」。そのうねりを、世界はもう無視できません。

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