5300種超える生物の宝庫、命輝く海はいま 「スナフキン」の憂鬱

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現場へ! 命輝け! 大浦湾

 魔よけのスイジガイがぶら下がる玄関に、「展示小屋」の看板。扉を開けると、大きな展示台に白い布がかけられていた。

 布をそっとめくると、シャコガイにイモガイ、ホネガイと数え切れない大小の貝殻に、ミナミオカガニの標本などが無造作に並ぶ。壁には海や陸の生きものの写真が数百枚。天井でヤモリがケケケケッと鳴いた。

 米軍基地建設が進む沖縄県名護市辺野古の北、大浦湾の対岸にある瀬嵩(せだけ)の西平伸さん(64)が8年前、ダイビングチーム「すなっくスナフキン」の仲間と自宅裏に建てた。広さ30平方メートルほどの小屋は、大浦湾のショールーム。ただ、いまは訪れる人はいない。

 「ムーミン」の人気キャラクター、スナフキンに雰囲気が似ている、とついた伸さんのニックネームがチーム名になった。

 メンバーの多くが生物研究者やその卵。巨大ナマコから爪の先ほどの寄生生物まで、未知の海の生きものを続々と見つけた。「ニシヒラトゲコブシ」は国内初記録のカニ、ハゼに寄生する「シンノカンザシ」「シンノワキザシ」は新種。いずれもリーダーの名を授かった。

 瀬嵩で生まれ育った伸さんは1998年、沖縄のエコツアーのさきがけとなる事業を仲間と始めた。順調だったが、2001年の米同時多発テロ以降、米軍基地がある沖縄が敬遠され、客足が途絶えた。伸さんも仕事を辞めざるをえなかった。

 一方で辺野古の基地計画を知…

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