昨年2月にクーデターが起きたミャンマーで、国軍の管理下に置かれた公立病院の医師たちが、監視をかいくぐりながら静かな抵抗を続けている。民間病院に移って市民を診察したり、職場を去って抗議運動に加わったり、抵抗の仕方は様々だ。
「患者のことが心配だが、独裁政権のもとでは働けない」。公立病院を去った男性医師は今年3月中旬、朝日新聞の取材にそう答えた。匿名を条件にヤンゴン市内でインタビューに応じた。
男性は30代前半で、もともとヤンゴンの公立病院に勤めていた。クーデター後、国軍に抗議する「不服従運動(CDM)」のデモに加わった。国軍に銃撃されたデモ参加者の応急処置にもあたった。
一緒に応急処置にあたっていた教授は逮捕された。負傷した市民の写真を外国の知人に送ったのが国軍側に察知された可能性があるという。
男性も自宅周辺に国軍兵士ら…