中立掲げて200年、スウェーデンの生存戦略 「平和国家」の裏の顔

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聞き手・田島知樹
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 フィンランド北大西洋条約機構(NATO)に加盟申請する方針を表明したのに続き、隣国のスウェーデンもNATOへの加盟を検討している。スウェーデンは200年近く「中立」や「非同盟」を掲げており、歴史的な政策転換と国際的に受け止められている。ロシアによるウクライナ侵攻が分岐点となった一方で、歴史を眺めると厳しい国際情勢をにらみながら、現実路線を採ってきた姿も浮かぶ。スウェーデンの政治や外交に詳しい立教大学兼任講師の清水謙さんは「今回の加盟への動きはその延長線上にあるとも考えることができる」と話す。

 ――スウェーデンの中立はいつから始まったのでしょうか。

 スウェーデンが初めて「中立」を導入したのは1834年です。当時の国王カール14世ヨーハンが宣言しました。

 かつては強大な軍事力をもってバルト海周辺を支配したスウェーデンも度重なる戦争の結果、宿敵ロシアに領土を取られ、国力が低下していました。「小国」となってしまった自分たちが国際情勢にどう関わるべきか。そう考えた結果、「もうヨーロッパの戦争には関与しない」という中立の外交政策へと変わったのです。

 ただ、これは将来起こりうるイギリス対ロシアの戦争に備えるという目的もありました。両国の仲介役になることで国際政治の中心的な存在になろうと考えたわけです。

 ――スウェーデンの中立の特徴はなんでしょう。

 記事後半では、したたかな中立戦略のなかで戦後いち早く核兵器の能力に注目していたことなどを紹介します。

 確固たる理念に基づいたもの…

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