オーケストラが子どもに無償レッスン 大阪で「エル・システマ」導入

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編集委員・石合力
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 すべての子どもたちに楽器と音楽を――。南米ベネズエラで始まった青少年向けの音楽教育プログラム「エル・システマ」を大阪・豊中市が日本センチュリー交響楽団との協力で進める。自治体とプロのオーケストラが協力するエル・システマの取り組みは日本では初めてだという。

 東日本大震災の被災地で2012年から活動を続ける一般社団法人エル・システマジャパンが18日、豊中市と連携協定を結んだ。市は新設の公立校に、子どもたちが無償で参加できる音楽教室をつくり、街おこしにも役立てたい考えだ。

 市内の3小学校、2中学校を統合して23年度に開校する公立校「庄内さくら学園」の小学生を対象に、エル・システマジャパンが寄贈などで集めたバイオリンを無償で提供。日本センチュリー響の奏者らが指導に当たる。

 試行期間の22年度は、統合前の小学校で7月に体験会を開き、9月から放課後の地域活動として無償でレッスンを始める。来年2月、市の音楽祭での演奏発表を目指す。

 エル・システマは、ベネズエラの文化相を務めた故ホセ・アントニオ・アブレウ氏(1939~2018)が1975年に創設した。スラムに住む貧困層や先住民の子どもたちに楽器を無償で提供する音楽教育を全国に広げた。青少年オーケストラの活動は150カ所以上におよぶ。

 「音楽を演奏することは、だれもが持つべき権利だ。音楽にたずさわることで、麻薬の世界と関係しなくてもいい塀をつくることができる」(2008年、来日時のインタビューで)

 オーケストラでの演奏を通じて協調性や社会性を学ぶ教育として世界的に注目され、世界70以上の国・地域で活動が広がっている。米ロサンゼルス・フィルの音楽監督を務める世界的な指揮者グスターボ・ドゥダメル氏(41)もここから育った。

 日本では、ユニセフ(国連児…

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