殺処分される犬の絵本「ねえ、だれかおしえて」 新装版に込めた願い

仙道洸
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 東京の絵本作家・よこたひさしさん(47)が、犬の殺処分の現状を描いた絵本「ねえ、だれかおしえて」の新装版を出した。「本を手に取った人に、考えるきっかけを与えたい」と願っている。

 よこたさんの人生は、ほぼ犬とともにあった。小学生のとき、父が同僚の飼い犬を引き取ったのが始まりだ。父は犬がなぜそう行動したのかを考え、犬に「どうしたの」と語りかけていた。よこたさんも自然と、そう接するようになった。

 ところが、外で他の犬を見かけると、飼い主によってしつけの方法が異なることに気づいた。あるとき、外で見た犬は首につながれたリードのひもやチェーンでたたかれていた。首根っこをつかまれ、地面に押しつけられている犬もいた。

 2020年5月、古くからの知り合いで、動物病院を営む藤田弘一さん(59)と一緒に「ねえ、だれかおしえて」を出版した。飼い主に世話をしてもらえなくなり、殺処分される犬の一生を描いた。初版の1200部は完売した。同年12月の改訂版から、より多くの人に届けるため、英文を併記している。

 新装版は、よりリアルに犬の表情を伝えるため、殺処分場で撮影した写真などを絵のようなグラフィックに加工している。訪ねた殺処分場のようすは、今でも忘れられない。元気な犬の鳴き声を聞くと、足が動かず、自然と涙がこぼれて止まらなかった。

 よこたさんは「犬を『捨てる』という選択肢が、人の頭の中から消えるように願っています」と話している。(仙道洸)