ロッテ泥だらけの1番打者が3盗塁 サヨナラ負けに号泣したことも
(13日、プロ野球 千葉ロッテマリーンズ4―1オリックス・バファローズ)
試合が始まってすぐに、一人だけユニホームが泥だらけになった。
ロッテの高部瑛斗(あきと)は安打で出た一回、三塁まで進むと右飛で果敢にスタートを切り、頭から先制のホームに滑り込んだ。
直前の二盗で汚れたユニホームは、もっと汚れた。
オープン戦で結果を残して激しい外野手争いを制し、1番打者の座をつかんだ。
ガッツがある。
4月6日の日本ハム戦の九回、左翼の守備で平凡な飛球を捕れずにチームがサヨナラ負けし(記録は安打)、ベンチで人目もはばからず涙を流した。
それでも、「残り百数十試合で取り返したい」と引きずる気配はなかった。
思うような結果が出なくても、初球のストライクから振りにいく積極性を失わず、全力疾走も怠らない。
全試合に出場しているのは、そうやって積み上げた信頼があるからだ。
「悪いときにどう我慢できるかが今年はすごく大事」
この日は全4打席で出塁し、3盗塁で3得点。盗塁数11はリーグ2位だ。
持ち前のスピードを存分に生かし、同期入団の佐々木朗希を援護した。(平田瑛美)
佐々木朗希は無傷の4勝目
ロッテの佐々木朗希は6安打を許したが、要所を締めた。「変に力で抑え込もうとせず、打たせてとろうと思った」
オリックス戦は今季3試合目。完全試合の後、4月24日の対戦では5回6安打2失点と打たれていた。その反省を生かし、変化球をまじえた丁寧な投球で7回を86球、無四球の1失点にまとめた。
六回2死二、三塁のピンチもバレラを高低で翻弄(ほんろう)。高めの速球を見せた後、低めのフォークで空振り三振に退けた。3、4月の月間MVPも獲得した20歳の右腕は、無傷の4連勝だ。