復帰50年の沖縄、もっと知りたい 映画、本、音楽、これがおすすめ

有料会員記事沖縄・本土復帰50年

構成・藤原慎一、山中由睦
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 独自の文化と美しい自然に恵まれた沖縄。一方で、戦争や27年間の米軍支配といった重い歴史も背負う。沖縄が日本に復帰して15日で50年。沖縄の魅力や痛み、たくましさを知る本、音楽、映画を、関わりが深い方々に紹介してもらった。(構成・藤原慎一、山中由睦)

ディープな沖縄を知る映画は

 沖縄の地元紙でエッセーの連載を続ける映画ライター・平良竜次さんは、幅広いジャンルの3本の映画を推す。

たいら・りゅうじ 1974年生まれ、那覇市出身。NPO法人「シネマラボ突貫小僧」の代表を務める。共著に『沖縄まぼろし映画館』。

 ◆「サンマデモクラシー」 (監督・山里孫存、出演・うちな~噺家・志ぃさー、川平慈英、玉城ウシ、下里恵良、瀬長亀次郎、ポール・キャラウェイら、2021年)

 沖縄が日本から切り離されていた時代、沖縄を支配した高等弁務官(米軍人)に、知恵と勇気で立ち向かった人々を描く痛快ドキュメンタリー。「サンマに関税をかけるのは不当だ」と裁判を起こしたオバァや、闘いを支えた個性豊かな人々を通して、沖縄が強いられた理不尽な統治の歴史をあぶり出す。同時に、ウチナーンチュ(沖縄の人)のしたたかさに快哉(かいさい)を叫びたくなる。

 ◆「沖縄やくざ戦争」 (監督・中島貞夫、出演・松方弘樹、千葉真一、渡瀬恒彦、梅宮辰夫、尾藤イサオ、地井武男ら、76年)

 実際にあった暴力団抗争を基にしたやくざ映画。身内同士の陰惨な殺し合いに目を背けたくなるが、その背景には、沖縄戦による荒廃と米軍から流れた武器、そして復帰を契機に入り込んだ本土資本があった。それらがやがて、どす黒い濁流となって沖縄をのみ込む。本作の一番の見どころは、千葉真一扮するやくざの首領・国頭正剛。強烈なキャラクターは、ウチナーンチュが持つルサンチマンを見事に体現している。

 ◆「パイナップル・ツアーズ」 (監督・真喜屋力、中江裕司、當間早志 出演・平良とみ、照屋林助、北村三郎、利重剛、津波信一、洞口依子、藤木勇人ら、92年)

 沖縄に住む若者たちが作り上げたオムニバス映画で、架空の離島を舞台に、米軍の不発弾を巡って巻き起こるさまざまな騒動をコメディータッチで描く。だが登場するのは、戦争で家族を失った老人、島の人間と結婚するはめになった移住者、本土企業のリゾート開発で一獲千金をもくろむ人々と、沖縄という島の事象を濃縮したものばかり。そのポップさと批評精神は30年経った今も色あせない。

民謡も、あのヒット曲も

 「THE BOOM」(解散)のボーカルで、現在も沖縄民謡の保存活動などを続ける音楽家・宮沢和史さんが挙げた3曲は。

 みやざわ・かずふみ 1966年生まれ、山梨県出身。三線の材料になる黒木の植樹活動も沖縄で続ける。

 ◆「芭蕉布(ばしょうふ)」 (クララ新川、作詞・吉川安一、作曲・普久原恒勇、1965年)

 沖縄民謡は基本的に8・8・…

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