「操作がわかりません」となぜ敬語? お年寄りを救った姉妹の直感

森下友貴
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 特殊詐欺の被害を水際で防いだとして、埼玉県警朝霞署は14日、朝霞市の専門学校生栗田愛香さん(20)と妹で中学1年の莉那さん(12)に感謝状を贈った。スマートフォンで話をしながらATMを操作するお年寄りを見かけ、女性が発した言葉から詐欺を疑い、電話を切ったという。

 事件があったのは4月22日午後7時ごろ。2人は市内のコンビニで、スマホで通話をしながらATMを操作する女性(83)を目撃した。女性は「医療費の還付」「219万円」などと口にしていた。愛香さんは当初、「家族と話しているのかな」と思ったが、「操作が分かりません」との敬語に詐欺を確信した。

 莉那さんが女性を見守り、愛香さんが店の従業員に110番通報を依頼。女性の電話を切り、「詐欺です。怪しいです」と説明した。女性はすぐにだまされかけたことを理解した。

 女性を狙ったのは、自治体などの職員を装って被害者に電話をかけて医療費や税金の「還付がある」とだまし、ATMに誘導して送金操作をさせる「還付金詐欺」。2人はこうした手口を報道で知っていた。

 愛香さんは感謝状を受け取り、「妹と力を合わせて被害を防ぐことができて良かった」、莉那さんも「私もうれしいです」と笑った。朝霞署の佐藤誠一署長は「間一髪だった。勇気ある行動に感謝します」と話した。

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 1~3月の県内の特殊詐欺の被害(速報値)は警察が把握しただけで243件。被害額は計4億5千万円を超えた。還付金詐欺は32件で、県警は、電話で医療費や税金の還付の話題を向けられたら切り、警察や家族に相談するよう呼びかけている。(森下友貴)