スポーツウェア開発最前線を見学 ゴールドウインのラボ

竹田和博
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 動きやすくて快適、かつオシャレなデザイン。スポーツライフの「相棒」としてテンションを高めてくれる最新ウェアの開発拠点が富山県小矢部市にある。スポーツアパレルメーカー、ゴールドウインの研究開発施設「ゴールドウイン テック・ラボ」。団体が対象なものの見学ができると聞き、足を運んでみた。

 ラボに入ってまず、奥まで開けたフロアの広さとガラス張りの部屋が三方に並ぶスタイリッシュなデザインに驚く。「何をやってるかが一目瞭然な環境づくりが狙いです」。ラボの中村研二部長が教えてくれた。

 フロア中央には、2019年ラグビーワールドカップ日本大会の日本代表ユニホームや、冒険家三浦雄一郎さんが08年に75歳でエベレスト登頂を果たした際のウェア、1964年東京五輪で金メダルをとり「東洋の魔女」と呼ばれたバレーボール女子日本代表のユニホームなど、同社がこれまでに手がけた代表的な製品など12点が並ぶ。

 同社は約70年前、メリヤスメーカーとして生まれ、登山ソックスなどを経て、スポーツウェアに進出。機能やデザインに加え、素材選びや縫製といった細部へのこだわりを背骨に、登山やスキー、水泳など幅広く製品を出してきた。

 だが意外にも、これまで自前の研究施設を持たず、県の施設を使って研究、開発を行ってきたという。そんななか、創業地である同市内に開発と発信の拠点を構えようと、社の倉庫になっていた1階スペース約3300平方メートルを約5億円かけて改修し、2017年秋にラボを設立した。

 ラボの機能は様々な用途の部屋に支えられており、一部はガラス張りで見学者も見ることができる。

 温度や湿度、気圧を変えて製品の機能を確かめられる「人工気象室・人工降雨室」、動作の測定、解析ができる「運動研究室」などの特殊な部屋もある。

 中村部長は「1カ所で試行錯誤ができ、スピーディーに作業を進められる」。建物の2階には縫製ラインがあり、量産方法まで詰めることができるという。

 人の動きをCGで再現する「モーションキャプチャー」や、体形を測定する3Dスキャナーといった技術を組み合わせた開発も、このラボならでは。動きにくい部位や負荷がかかる部位をデータから探り、試作品をつくる前段階で改善を試みる。

 一方で、中村部長は「データには表れない所に不安や違和感を感じる人もいる」と、データと着る人の感覚を行き来する大切さも強調する。

 ラボができたことで、「これまで伝え切れていなかった製品自体の価値や、ものづくりへのこだわりを知ってもらえるようになった」と中村部長。人材の採用にも好影響があるといい、「働きたいと思ってくれる若い人たちが集まるようになった。おかげで、施設と設備に加えて人材もそろい、ワンランク上のものづくりができるようになっている」。

 新型コロナウイルスの影響で現在は見学を見合わせているが、中村部長は感染が落ち着いた際には「実際に足を運んでもらい、ものづくりの奥深さを知ってもらえたら」と話している。(竹田和博)

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 〈ゴールドウイン テック・ラボ〉 富山県小矢部市清沢210。見学は団体が対象で平日に受け付ける。新型コロナウイルスの影響で現在は実施を見合わせているが、感染が落ち着き次第、再開する予定。問い合わせは、同社富山地区総務グループ(0766・61・4888)。詳細はホームページ(https://corp.goldwin.co.jp/techlab/別ウインドウで開きます)。