米連邦最高裁の多数派判事が、人工妊娠中絶を憲法で保障された権利として認めた最高裁判決(1973年)を覆す内容の草稿を書いていたことが報道で明らかになったことを受け、全米各地で14日、約400の抗議デモが行われた。米メディアによると、数万人が参加したという。
首都ワシントンのホワイトハウス近くの広場や連邦最高裁前では、「中絶を安全で合法のままにして」などと書いたボードを掲げた人たちが集まった。
空調関係の会社で技術者として働くサラ・パーシェルさん(24)は草稿について、「彼ら(保守派判事)の立場は分かっているので、残念だけど、驚きはなかった。最高裁判決を覆そうとしていることに怒りを覚える」と指摘。「すべての女性が、自分の体に起こることについて選択権を持つべきだ」と訴えた。
最高裁前には、中絶の禁止を求める人たちもいた。「中絶は暴力だ」と彼らが叫ぶと、容認派のグループが「中絶は医療行為だ」と応戦する場面もあった。
米東部フィラデルフィアでも…