日曜に想う ヨーロッパ総局長・国末憲人
首都キーウ(キエフ)の北約80キロ、ウクライナ北部のイワンキウは人口約1万人の田舎町である。チェルノブイリ原発に近いものの、事故による大規模汚染を免れた農業地帯。2月24日に侵攻を始めたロシア軍は、ベラルーシから南下して恐らく最初にここに到達し、占領した。
4月に訪れた現地の住宅街には、大穴が開いていた。侵攻翌日にミサイル攻撃を受けたという。1棟が全壊し、両隣が半壊。片方の半壊住宅で、主婦タチアナ・オサチャさん(33)が語る。
「占領中のロシア兵は怖かったけど、何もしなかった。子どもたちにクッキーをくれた」。もう片方の半壊住宅のイワン・ダリニチェンコさん(65)も「戦闘はあったが、暴力はなかったね」。
被害が軽いわけではない。バ…
【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら
- 【視点】
こういう部隊ごと、兵士ごとの対応の相違は、「戦争になってしまえば人はどうなるかわからない」ということの証左でもある。たとえいい人であっても、である。 こうした「ごく常識的な振る舞いの一方で、時に際立つ残忍さ」の交錯は、アジア各地におけ