SDGsをブームに終わらせない 金沢の老舗商社37歳社長の挑戦

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編集委員・木村裕明
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アナザーノート 木村裕明編集委員

 定年退職を事実上、廃止した企業が北陸にある。社員は60歳でいったん定年を迎えるが、その後も原則として無期限で働ける。退職金は60歳の定年時に加え、本人が希望して雇用関係が終わる時点で2度目をもらえる。金沢市に本社を置き、化学品や車載向け樹脂製品などを扱う創業九十余年の老舗商社、三谷産業(東証プライム上場)の取り組みで、昨年2月の記事で取り上げた。

 ユニークな継続雇用制度は、三谷忠照社長の肝いりで導入された。一口にシニア社員と言っても、孫の世話をしている人や老老介護をしている人、学び直しをしている人など様々な事情がある。定年前と同じ仕事を続けたい人もいれば、働き方を変えたい人もいる。

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 三谷社長は当時の記者会見で、超高齢社会を迎える日本で、企業風土を築いてきたシニアを大切にし、社員一人ひとりがそれぞれの事情にあわせて「ちょうどよい働き方」をデザインできる「新たな終身雇用」をめざすと宣言した。

 「定年を廃止して、居座られたらどうするのか」。新制度に対して否定的な見方をする経営者もいるが、三谷社長の考えは違う。

退職のあいさつを聞くたびに

 「甘いと言われるかもしれま…

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