1千万円の利益、十数万円に「暴落」 FX投資が実は…

高嶋将之 山口啓太
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 投資で1千万円の利益が出ていると見せかけて――。実際には運用さえせずだまし取っていたとして警視庁が22~36歳の男9人を詐欺容疑で逮捕したことがわかった。投資家向けアプリの運用実績を改ざんして信じ込ませていたという。

 9人は、外国為替証拠金取引(FX)への投資をうたった詐欺容疑で2~4月に逮捕され、その後起訴された詐欺グループのメンバー。警視庁は、グループが同様の手口で少なくとも約50人から約1億5千万円を集めたとみて調べを続けていた。

 今回9人は、神奈川県の40代男性から現金約500万円をだまし取った疑いで新たに逮捕された。

 捜査関係者によると、無職金田祐輔容疑者(36)ら9人は昨年7月、架空の投資会社「オーシャンプロジェクト」を名乗り、男性に電話。「元大手証券会社のプロのトレーダーが運用します」「月利は10~15%」などとうそをつき、FX投資名目で約500万円を詐取した疑いがある。

 9人は詐欺グループの中で投資家を募るための電話役だったとみられる。

 勧誘に応じた男性は指示通りインド洋の島国・セーシェルに所在するとされる証券会社「トレーディングフォレックス」に口座を開設し、今回の約500万円を含め3回にわたり計約1500万円を入金。運用状況がわかるアプリのインストールも求められ、そこでは預けた資金が約2500万円まで上がったことになっていた。しかし警察からの連絡で被害に気づき、全額の返金を求めると十数万円に「暴落」したという。

 同庁は詐欺グループ側が何らかの方法でアプリ上の運用実績を改ざんしていたとみている。男性が入金した約500万円は実際には運用されておらず、暗号資産(仮想通貨)「ビットコイン」に換金された後に再び現金に換えられ、出金されていたという。(高嶋将之、山口啓太)

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