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習近平氏「党の集団指導体制ただす」 副主席当時、バイデン氏に伝達

ワシントン=園田耕司
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 「新冷戦」とも呼ばれる米中関係だが、バイデン大統領と習近平(シーチンピン)国家主席は最高指導者になる前の2011年と12年に互いの国を訪問して信頼を深めたとされる。米国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長や米国務次官補として、2人のすべての会談に同席したダニエル・ラッセル氏が朝日新聞の取材に応じ、やりとりを明かした。

 当時、習氏は国家副主席で、近い将来の全国人民代表大会全人代)で胡錦濤主席の後を継いで国家主席に選出されることが固まっていた。

 ラッセル氏によると、バイデン氏との対話のなかで、習氏は「中国共産党の指導体制の問題をただす必要がある」との決意を打ち明けていた。習氏が具体的に言及したのは、「集団指導体制」だった。重要な意思決定を合議や多数決の原則で行う集団指導体制は胡錦濤政権で徹底されていたが、習氏はその問題点を説明したという。

 習氏のこうした発言が、関係者の証言で明らかになるのは初めてとみられる。

 ラッセル氏によると、典型的な中国共産党の幹部とは異なり、率直に意見を述べる習氏の姿勢に、バイデン氏らは感銘すら受けていた。

 しかし、習氏が13年3月に最高指導者に選出されると、事態は変わり始めた。同年11月、中国は一方的に日本の尖閣諸島などを含む空域に防空識別圏を設定。これを受けて再び中国に赴いたバイデン氏は習氏への見方を改め始めたという。(ワシントン=園田耕司

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    古谷浩一
    (朝日新聞論説委員=中国政治、日中)
    2022年5月17日20時50分 投稿

    【視点】記事を読んでとても驚きました。 毛沢東への個人崇拝が文化大革命などの巨大な災難をもたらしたとの反省と教訓から、鄧小平が唱えたのが「集団指導体制」です。まだ国家副主席の立場の習氏が、しかも外国の要人に対して、先人の掲げた大方針の問題点に言及