幕末の新選組副長、土方歳三を主人公に、日本とロシアで共同制作している映画「歳三の刀」の撮影が16日、都内で始まった。昨年秋に完成予定だったが、コロナ禍で進行が遅れ、ロシア軍のウクライナ侵攻で制作に影響が出ているという。制作スタッフは日本とロシアの草の根の交流の火は消したくない、としている。
日野生まれの土方は函館で戦死したはずが、ロシアで生き延びていた――。制作途中の作品は時空を超えた物語だ。日野市の増山麗奈さん(45)が代表理事の一般社団法人ユーラシア国際映画祭とロシアの映画会社の共同制作で、増山さんは日本側の監督を務める。
撮影は2020年5月に始まるはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期となり、21年6月にようやく福島県や栃木県などでスタート。同年9月にはロシアでも撮影し、これまでに全体の3割ほどを撮り終えたという。
今月、ロシアから監督や俳優、カメラマン、通訳ら計7人が来日。16~28日、日野市や府中市、新宿区、神奈川県相模原市などで撮影予定だ。人件費や交通費、宿泊費、機材費などで約300万円の費用を見込む。このほか日本人スタッフも含めて1千人分の食料も必要という。
増山さんによれば、ロシア軍…