京都・ウトロ地区の放火事件 被告が起訴内容認める 京都地裁

徳永猛城
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 在日コリアンが多く暮らす京都府宇治市のウトロ地区で昨年8月、空き家など計7棟が焼けた火災で、非現住建造物等放火罪に問われた奈良県桜井市の無職、有本匠吾被告(22)の初公判が16日、京都地裁(増田啓祐裁判長)であった。有本被告は「事実として認めさせてもらいます。間違いございません」と述べ、起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、被告は昨年8月30日午後4時10分ごろ、宇治市伊勢田町ウトロの空き家にライターで火を付け、隣接する住宅など計7棟を全半焼させたとされる。

 ウトロ地区には戦時中、国策の飛行場建設のため朝鮮人労働者らが集められて住み、在日コリアンのコミュニティーができた。土地が転売され、地権者が明け渡しを求めて提訴。2000年に住民敗訴が確定したが、国内外の支援で土地の一部を買い取り、公的住宅の建設が進められている。

 昨年8月の火災では、こうした地区の歴史を伝える生活用品や食器棚住民運動に使われた立て看板など約40点も焼けた。今年4月開館の交流施設「ウトロ平和祈念館」で展示予定だったものも含まれていた。

 被告は、昨年7月24日に名古屋市中村区の韓国民団愛知県本部や韓国学校の雨どいにライターで火を付け、建物の壁や芝を焼損させたとする建造物損壊と器物損壊の罪でも起訴され、合わせて審理が行われた。(徳永猛城)