「偽物」と呼ばれて…築地で人気に火がついた 年5億本のヒット食品

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小島弘之
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 見た目や食感がカニとそっくりで、しかも安い――かに風味のかまぼこ「カニカマ」が発売されてから、今年で50周年を迎えた。インスタントラーメンレトルトカレーと並ぶ「戦後の食品三大発明」とされ、食卓を彩る「半」世紀の発明品は、商品開発の失敗から生み出されたという。

 50年前の1972年にカニカマを発売したのは、石川県能登半島にある水産加工会社「スギヨ」(七尾市)だ。開発チームの一員だった元社員の清田稔さん(84)=同市=は「転んでもただでは起きない。そんな会社の雰囲気から、カニカマが生まれた」と振り返る。

「人工クラゲ」から始まった

 1960年代後半、日中関係が悪化し、クラゲの輸入が滞った。すると、ちくわなどの練り物や、からすみのコピー食品を製造していた同社に、クラゲを使った珍味を加工する業者から代替品を求められた。

 後に社長を務めた杉野芳人専務(故人)や清田さんが中心となり、70年に「人工クラゲ」の開発に着手。海藻に含まれるアルギン酸や卵白などを使い、約1年後にコリコリしたクラゲの食感の再現に成功した。

苦闘の末にカニカマを生み出した「スギヨ」。実は、さらに長い歴史を持つ「ソウルフード」の製造元でもあります。記事後半には、その開発秘話も。

 だが、喜んだのもつかの間…

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