日本の議員は少ない?給与は? 「月給100万円しか」発言の背景

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菅原普、白見はる菜
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 月給100万円しかもらっていない――。そんな前置きで国会議員の定数増を主張した細田博之衆院議長の発言が批判を浴び、細田氏が陳謝する事態に発展した。発言が飛び出した背景に、何があるのか。そもそも議員の定数や待遇は、ほかの国と比べどんな状況にあるのだろうか。(菅原普、白見はる菜)

 細田氏は10日にあった自民党の参院議員のパーティーで「議長になっても毎月もらう歳費は100万円しかない」「上場会社の社長は1億円は必ずもらう」などと主張。そのうえで「1人あたり月給で手取り100万未満の議員を多少増やしてもバチは当たらない」との持論を展開した。

 この発言が報じられると、「市民感覚とずれている」とSNS上などで批判が沸騰。国会では、野党ばかりでなく与党にも「物価高のなかにある国民がどう思うか」(自民党幹部)、「議長を選んだ国会そのものが批判される」(公明党幹部)と、懸念の声が広がった。細田氏は12日、議長公邸であった与野党幹部の会合で陳謝し、「今後は発言を控える」などと述べた。

 細田氏の発言の背景には、定数配分の見直しをめぐる不満があるようだ。政府は衆院の一票の格差是正のために15都県で「10増10減」の見直しを進めている。ただ、細田氏ら自民の一部は「地方の声が届きにくくなる」などと、公然と不満を述べてきた。自民重鎮は「定数への思いがほとばしってしまったのだろう」と話す。

 そもそも、与野党内には、近年進めてきた定数削減など「身を切る改革」への異論もくすぶる。2012年の衆院解散時に民主、自民、公明の3党で消費税を引き上げる代わりに、議員の定数を削減することで合意。その後も、東日本大震災の後に歳費を一部削減し、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、再び歳費の2割カットを打ち出すなどしている。自民衆院ベテランは「細田さんの言いたいことは分かる」と言う。

 日本は他国と比べ、必ずしも国会議員の数が多いとは言えない実情もある。

 国際的な議員交流団体「列国議会同盟」(IPU)と国連の人口推計から、国会議員1人当たりの人口を試算したところ、日本は約18万人だった。米国は1人当たり62万人だが、韓国、フランス、英国などはいずれも議員1人当たりの人口は日本より少ない。OECD加盟国では38カ国中36番目、G20ではEUをのぞく19カ国中11番目だ。

 細田氏が持ち出した議員の給与はどうか。

 コロナ禍で歳費削減中の現在…

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    曽我部真裕
    (京都大学大学院法学研究科教授)
    2022年5月17日8時25分 投稿

    【視点】 少し調べた限りでは発言全文を見つけられませんでしたのではっきりはしませんが、細田議長の発言の趣旨は、歳費が少ないことそのものではなく、議員の数が少ないということだったのかもしれません。  それであれば、本記事にもあるように、国際比較では