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コロナ対策はどうあるべきか 国立感染症研究所の脇田所長に聞いた

新型コロナウイルスオミクロン株

聞き手・小田健司
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 3年ぶりに規制なしで迎えた大型連休を終え、社会は新型コロナウイルスとの共存を本格的に模索し始めている。一方で、一部の地方では感染が拡大しつつある。現状をどのように認識し、これからのコロナ対策はどうあるべきか。国立感染症研究所の脇田隆字所長にオンラインで聞いた。

 ――コロナの感染状況をどうみていますか。

 GW中の診療や検査の影響もあり評価が難しい状況です。全国的にはゆっくりと減少してきましたが、増加の傾向もみられます。しばらく状況を注視する必要があると考えています。地方では沖縄で増加が継続しています。増加する要因と減少する要因がありますが、今はまだ微妙なところにあります。より感染力のつよいBA.2にほぼ置き換わったことと、人が移動する連休を終えたので、これから影響が出てくるはずです。

 ――第6波ではあまりに感染者が増えて、感染ルートをたどる疫学調査も困難になっています。

 これまでは疫学調査が重要だったのは間違いないです。ただ、現在の二次感染のリスクは、家庭に比べると学校や職場は低い。いま積極的疫学調査を厳密にやることが重要なのかという考え方もあります。

 ただ、地域で事情は違います。大都市で難しくても、地方では「しっかりやって抑えていきたい」という考えもあるでしょう。

 ――大型連休では3年ぶりに規制がなく、コロナとの共存に大きくかじを切ったようにも見えました。

 社会活動の制限で感染を抑えるという選択を今後、採ることができるかどうかです。社会的な合意がないと難しく、そうした選択はハードルが高くなっています。ただ、コロナ前に戻るよりは、今、どんな活動が適しているのか、できるのかを考えるべきです。

 感染リスクを下げながら旅行するにはどうすべきか。家族で行くという選択はありますよね。キャンプがはやっているのも、新しい生活様式だと思います。

 ――オミクロン株の変異の一つ「XE」のほか、海外では「BA.4」「BA.5」も出ています。

 すべてオミクロンの亜型で、出現に不思議はなく、特別にすごいものが出てきている認識はありません。

 一方、オミクロン株には我々ウイルス学者は驚きました。連続的に進化して出てくるものとはかなり違っていました。こうしたウイルスは、感染力も病原性も変わり、治療薬の効果も出なくなることがあります。オミクロンの亜型だけでなく、オミクロンとは異なる新たなウイルスの出現に注意が必要です。

 ――今後の見通しを。

 連休後の感染拡大がどの程度になるかが問題です。オミクロン株により、ワクチンの効果の持続時間が短くなっています。感染予防効果が3、4カ月で落ちてくると、高齢者の人もそれなりに感染し始めるでしょう。夏ごろが次の心配の時期になります。(聞き手・小田健司)

     ◇

 福井県のコロナ対応はどうあるべきか。4月から県の若狭健康福祉センター(小浜市)で所長を務め、昨年度まで福井健康福祉センター(福井市)所長として現場を指揮した四方(よも)啓裕医師は「全国的な傾向と同じ」と、徐々に経済活動に軸足を置いた次のステップに移るのではないかとの見通しだ。

 ただし、急激に対策が緩み、感染拡大や医療の逼迫(ひっぱく)を招くことには不安があるという。「これも国レベルで同じことですが、やってみなければその結果がどうなるか分からない」と言い、現場を預かる立場からは「あまり極端な考えを採りたくはない」。人と接する際のマスクの着用や手洗い、手指消毒の励行など基本的な感染対策は続けるよう求めている。

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